春休みをはさんで、ちょっと久々のことばのかたち工房。
おくれてきた新学期みたいでワクワクしながら児童館に到着したものの、しょっぱなから女子たちの奇襲にあう!
朝9時、準備開始。すると間もなく常連たちのマネキンになってしまった。「コーディネートしてあげる!」という「NO」と言わせない強力な言葉に身を任せてしまい、あえなく今日最初の敗北。けれど、彼女たちのセンス (色の組み合わせ方やバランスのとり方) の良さには、
「さすが女子!」と思わず感服でした。この辺は、工房での古着との関わり方にもつながっていますね、きっと。

この日、気がつけば工房のテンションは彼女たち「GALS」が中心になってつくっていました。
さて、そんなこんなでスタートした今回のことばのかたちは・・
「独立」
「使い回し」
「300円くらいのおみやげ」
「ふざけた印象」
「300円くらいのおみやげ」
「300円あったら何買う?」「お菓子。」
「お菓子何買うの?」「・・うまい棒。」
300円もあるんだから、もう少し贅沢してもいいんじゃ?・・いやいや、「好きな味が選べる」のは人気のお土産の条件でしょう!ということでかたちづくりへ発進。
午後から合流した初参加の作業員さんたちを巻き込んで、入口付近の制作ゾーンにて、そっと、でも着々と、うまい棒を大量生産していました。集まるうまい棒、不思議とみんな同じ大きさ。頭のなかにある「知ってるかたち」って、思った以上に正確に通じてます・・反対に、いざことばのかたちが出来上がってみると、いつもの通りでかなり自由なことになっちゃってるのも、また不思議です。

撮影ブーム再び
新カメラマンさんがバシャバシャと記録をとってくれるなか、恒例の撮影ブームが起こりました。「ちょっとかしてー」と言ってどこかへ消えたと思ったら、ものすごい量のデータを持ってかえってきたり、友達同士でキメ顔を撮り合ったり、連写でいろんな人の姿をコレクションしたり・・カメラマンは、さぞ冷や冷やしたことと思いますが、工房が終わってからそれらを見ていくと、なんとも味のある写真がたくさん!なかには、実物をスタッフが誰も見ていなくて、写真にだけ残っている作品もありました。こんなのいつ作ったんだよー!といいながら時差つきで知るその子の目線が、何だか分からないけど、とても愛しく感じられてしまいます。

「ことばのかたち」出る幕なし
振り返ってみて改めて感じるのですが、今回の工房は遊びの帝国でした。
「思うがままエネルギー」がそこらじゅうで飛び跳ねてぶつかって、部屋の中を充満していました。手足や口が勝手に暴れだしちゃう人たちと、それに巻き込まれちゃう人たち。とにかく刺激が強い1日でした。
気になるのは、「ことばのかたち」の出る幕がなくても、児童館の他の部屋と違う空間は作れていたのか、といことです。うーん・・悔しいことに、そこについてまだはっきり言えません。
けど、例えば自分のつくったものを「記録しよう」とする気持ちとか、人をコーディネートするのも立派な表現だし、毎回のように名前のない遊びが誕生していく。わたしたちも、彼らも、「なんかできそう」と思えてくるんじゃなかろうか・・

次回のことばのかたち工房は7月31日!
暑さに負けない彼らに負けないよう、気合い入れていきます!
(高梨千恵)

4月16日(金)より、大泉の名店「ポラン書房」にて、西尾美也プロジェクト「ことばのかたち工房展」が開催されています。
本展では、アーティスト西尾美也が考案した「ことばのかたち工房」という仕組みを使って、アーティスト・イン・児童館 実行委員会が子どもや町の商店主たちを巻き込んで自由に遊んだその成果を展示しています。
絵本から哲学書まで、たくさんの本(=ことば)が並ぶ空間に、「ことばのかたち」は浮かんでいます。

古書店ならではの展示として、「ことばのかたち工房」の意味とイメージに関わる書籍を選書し展示しています。これがなかなか面白い。
さぁ、その全貌は、ご来店してのお楽しみ!
朝8時。ことばのかたち工房の作業員がHOUSE MACKARI(事務局)に集まり、おべんとうチームと工房ワゴンチームにわかれて児童館に出動する準備を始めます。

工房ワゴンに古着と道具・おべんとうをのせて出発。台車のキャパもそろそろ限界なのでリヤカーが欲しいところ。

移動中、ご近所の方や豊島園まで歩くというイベントに参加している方と会話しながら工房ワゴンは児童館へ向かいます。

児童館に到着して、作業の準備をしていると「邪魔をする」という関わり方で集まってくる人たち。

作業員は古着を解体しながら<ことばのかたち>を考えます。最近のわたしたちは「歩きながら考える」「手を動かしながら考える」「おいしいご飯をたべながら考える」など「○○しながら考える」というスタンスでミーティングをするとわくわくをひらめくことが多いので、これもその実践のひとつ。「壊しながら考える」。

解体しながら<ことばのかたち>を考えるとき、最初はカラダとアタマが別々に動き始めるのですが、解体していくうちに、おもしろいかたちや素材の意外な性質を発見し、そこから「ことばのかたち」のイメージや要素に発展していくことがあります。 バラバラだった要素が1つの<ことば>によって集約され変化し再構築していく、そんな遊びの中で<ことばのかたち>はうまれていきます。
この日のことばは<好みの緑><衛生的><ナチュラル>。

今回はいつも手書きで掲示している<ことば>をプリンタで出力してみました。新住民たちの手描きの手記があふれる中で、空間に埋もれることなくパリッとした存在感があったので、次回もこの形式でやりたいなとおもいます。
<ナチュラル>ということばのかたちのできるまでのドラマを1つご紹介。
作業員がナチュラルのイメージから白い古着をピックアップして解体を始めていると、なんだか骨みたいだね!という声からナチュラル→骨→化石→恐竜…と連想していき、恐竜の化石を作ることに。早速図書室で恐竜図鑑を探してきて、模造紙に大きな設計図をかきはじめます。

するといつもの暴れん坊が工房に登場。わたしたちの設計図をじーっとみる彼。わー設計図が狙われる!たいへん!と思っていたら、「紙ちょうだい。おいおまえ、どの恐竜が好き?」と作業員の1人に恐竜を選ばせ、隣で絵をかきはじめました。彼はいつも、工房を荒らしては文句を言われ、それに対してさらに暴れるという関わり方をするので、なんとなく恐がられてしまうことも多いのですが、その集中力と絵のクオリティは工房にいる人々を驚嘆させました。



<ことば>を<かたち>にするプロセスに寄り添って、彼は恐竜の絵をかくというあそびを始め、楽しんでいるようでした。工房が児童館にあることで「作る」「考える」「壊す」「暴れる」多様なコミュニケーション方法を持つ人たちが出会って、いつもとちがった遊びや関係性がうまれるところが「ことばのかたち工房」の魅力の1つだとおもいます。

「ことばのかたち工房」という体験がどんな記憶(想い出)になるのか、それに出会い直す日を、私は楽しみにしています。

最後にお知らせです。
大泉の素敵な古本屋さん「ポラン書房」で4月16日~30日までことばのかたち工房の展示させてもらえることになりました。
ことばのかたちの実物も展示予定なのでぜひ!遊びに来てください。
ことばのかたち工房について考えるときにおススメの本も選書させていただいたので、そちらも必見です。
展示についてはニュースの欄にも掲載していますのでご覧ください。